厚木基地日米親善春祭り2023

米海軍厚木航空施設の日米親善スプリングフェスタが4月22日に行われた。以前は空母艦載機の基地として運用されていたが、空母艦載機は全て海兵隊岩国基地へ引っ越してしまったため、現在はヘリコプターしか稼働していない。広大な滑走路を備えつつも固定翼機の運用は併設する海上自衛隊厚木航空基地のP-1対潜哨戒機くらいだが、以前はF/A-18Eスーパーホーネットの衝撃波を撮影すべく綾瀬に引っ越したカメラマンもいたほど。イベントとは言え飛行展示も予定されていないため、大方そんなに混雑しないであろうと予想されていたのである。結果的には案の定、最大4km4時間を超える入門待機列が発生し、昨年の横田や横須賀同様途中で諦めて帰る方が続出したのだが、私はもちろんこれを想定し、11時開門にも関わらず朝7時には現地付近へ到着した。最寄りのドンキホーテ駐車場は上限料金が今日明日のみ撤廃されていて1日停めればどえらい請求に。こんな時は一旦コインパーキングが多い最寄り駅まで下がって、少しづつ基地に近づきながらできるだけ安い駐車場を探すのが常套手段だが、運良くかしわ台駅の近くに1日上限¥770の穴場を見つけた。基地正門まで1.5km20分。一駅分くらいの徒歩で済めば御の字である。 

 さて8時前に到着すると案の定正門から右手に400mほど行列ができていて、桃並三叉路を左折して50mほどの地点が最後尾。4月下旬とは思えない寒の戻りで身体が冷えたが、昼夜の気温変動が激しい時はワークマンで買ったファインメリノウールが大活躍だった。Tシャツほどの薄手にも関わらず保温力は厚手のセーターに匹敵し、肌に密着させると底冷えを予防してくれる。トイレを我慢するのだけがしんどかったが、列の前後に声をかけて荷物番をお願いし、コンビニで用を足したらお礼に缶コーヒーでも差し上げれば良い話し相手に恵まれるだろう。そう言えばこんな時微糖と無糖を買って来て「お好きな方を」と言う先輩がいたなぁ。ちなみにコーヒーは無糖をチョコレートかじりながらとか生クリームのケーキを食べながらだと美味さが倍増する。私も昨日49歳の誕生日を迎えたため、路肩で踏み台に座ってひとり誕生会を挙行した。最寄りスーパーで仕入れた餅入りシュークリームは宮崎市お菓子の日高が有名ななんじゃこら大福が懐かしくて思わず買ってしまったのだが、あんこと生クリームのコラボもまた、絶妙。行列は続々と連なり、最後尾を目指して通り過ぎる方々の悲鳴が飛び交う。繰り上げて10:30に開門したのだが空港のセキュリティゲートと同じものが設置され厳重な金属探知機によるチェックが行われたたため、門に入ってからも1時間半待たされた。私は空港慣れしているためベルトのバックルまで外してセキュリティゲートに挑んだが、鋼の心臓だけは隠しようもなくブザーがなってしまう。別の場所へ引っ立てられてMPに「Spread!」(脚を拡げろ)と命令され、拘束された被疑者の如く身体全体を舐め回すように金属探知機でスキャンされたが、すっかり縮み上がってしまいアイアンハートが豆腐に戻ったおかげで、すんなりと通過できたのである。

 ここから先はシャバの空気、異国の空気満載で、広大な基地にまだ500名ほどしかいないため写真撮り放題!昨年夏の盆踊りの時に一通りは撮ったのだが、とりあえずゲートガードのファントムやスカイホーク、トムキャットなどを記録。エプロンまでの道すがら消防隊の車両火災鎮火デモが始まったので鑑賞してみたら、リアルバックドラフトで大変な迫力!しかも消防隊員は全て日本人だったため勇敢な江戸の町火消しを彷彿させた。初めて入ったエプロンは黙って見ろと言わんばかりに空母ロナルド・レーガン艦載機の第五空母航空団スーパーホーネットがずらり!私は岩国で見飽きていたが、列線を思わせる一直線の並びはアツい!米軍基地では展示機の周りにフェンスが設けられない事が多いが、今回も事実上「触れる」距離感であり(パイロットに”Don’t touch!”と注意されたので正式にはNG)第一線級の戦闘機と戯れるチャンスとしては国内最高峰であろう。艦載機特有の頑強かつ複雑な足回りを多くの模型ファンが近づいて接写していたが、彼らは大抵ものすごく謙虚なため、必要な資料を撮り終えたらさっと機体を離れる。おかげで私は以前から撮りたかったカタパルト・オフィサーのポーズで自撮りを試み、2回失敗したにも関わらずギャラリーの生温かい視線に溶けそうになったが、一部のお客さんは大変興奮して私のチャレンジを喜んで貰えた。いや、やるでしょ普通に!

 満足して次に鑑賞したのは下総航空基地から来たミニP-3Cの潜水艦追尾デモ!鹿屋基地で見て以来久しぶりの鑑賞だったが、コミカルな動きとは裏腹に潜水艦を発見、追尾、撃沈に至るデモンストレーションをわかりやすく紹介し、国防意識を高める役割を充分に果たしていた。その後は自衛隊の展示機をさっと記録し、踏み台に一脚を持って頭上に掲げてリモートで撮る俯瞰撮影もやってみた。基地によっては踏み台や一脚、自撮り棒などが持ち込み制限される事があるが、このような制限がない場所ではやれるだけやっちゃうのが吉であろう。他に中学生のマーチングバンド演奏や広場でのDJクラブなどで盛り上がり、腹も減ったので最後にフードコートへ並んだら、90分並んだ挙句営業終了で放り出されてしまう。最後で詰めを誤ったが、今後の課題としたい。