築城基地航空祭2023に向けて

勤労感謝の日の翌日に代休取れば4連休だな、一応申請しとくかという軽い気持ちで押さえた秋のシルバー・ウィーク。また岩国ローカルでも行ってスパホの爆音でも浴びるかなと思っていたが、この週末は築城基地で航空祭と気づいた。築城といえばF-2戦闘機を2部隊擁する国内屈指のアタッカータウンで、特にサンダーバーズばりの密集体系でナイフエッジをかます「すごくすごい」パンサー機動は昨年拝めず悔しがったものである。とりあえず遠征費用に幾らくらい掛かるのか調べたら、飛行機代だけで片道4万!いや〜レンズのローンに加えて車まで加算された今、そんな予算は無い!近場でセコく遊ぶに限ると一旦は諦めたのである。

 予定が決まらないまま休暇が近づき、基地から公式に機動飛行のスケジュールが発表されたのだが、なんとそこには「AH-64D」の文字が!アタックヘリの運用廃止が閣議決定され、終わりが見えてきたアパッチが全開飛行だと!?今年は飛ぶアパッチを求めて霞ヶ浦や木更津へ出かけても拝めず、もはや目達原まで出向くしかと悲壮感に浸っていた矢先に、思わぬ光明が差した。これは何かを質に入れたとしても行かねばなるまい!何とか経費を抑えられないものだろうか?そして閃いたのが、行きの夜行バスと、帰りの新幹線というアイデア。どちらも飛行機に比べると鬼のように鈍足であるが、往復3万ちょいでイケる。広島までの夜行バスと鹿児島までの新幹線を経験した今なら、何とか耐えられるかもしれない。一縷の望みを託して、小倉と別府に宿を押さえて遠征プランが成立したのである。

 流石に仕事終わりからの夜行バスは準備の時間が取れないため、しっかり睡眠を摂り勤労感謝の日の朝からダラダラ準備を始めた。絶対無理だと思っていた築城に本当に行けることになり、ウキウキしつつ準備を完了。まずは新宿キタムラへ移動して、写真プリントの合間に友人が出してる写真展を拝見した。オールドレンズのマニュアルフォーカスで仕留めたしっとりと味のある作品群に満足しつつ、次は献血にトライ。体調が良かったので降圧剤の服用を半年ほどサボっていたのだが、拡張期血圧(下)が125の大台を叩き出し、基準値を超えてしまったのである。血圧計を変えてもとんでもねぇ数値が出るばかりで、諦めて医師の手動血圧計に委ねたら109でギリ基準に入り、なんとか237回目の400cc献血を完了した。血を抜いたのと数字が悪かったショックを隠せず気を失いそうな状態のまま渋谷へ移動し、友人が出してる写真展を3ヶ所巡り、東京駅でお土産と駅弁を買ってバスに乗る。本当はゆっくり食事したかったのだが、初日からまさに分刻みのスケジュールになってしまった。詰め込み過ぎである。

 しかしまぁ、14時間もバスに乗るものではない!車両自体は大好きなオリオンバスの前後が広いゆったり四列席だったが、振動やイビキでろくに眠れなかった。水分補給だけで体調を整えて博多駅に到着すると、予め呼び出しておいた妹と合流しKITTEのレストランで肥後あか牛のコースを頂きつつ、近況報告会を含めた家族会議。妹から次はもっと時間を確保してくれと叱られつつも充実の1時間を過ごして、次は電車で大刀洗へ移動、最後の局地戦闘機でゴジラ-1.0の撮影にも使われた震電の実物大模型を堪能した。これをいつ見るか、はたまた諦めるかでスケジュールを追い込んだが、コレは見に来た甲斐があった!高空を飛ぶB-29をインターセプトするべく強力な武装とパワーで固めた震電は終戦間際試験飛行まで成功し、スクリーン上では激しく飛び回ったと聞いて、ぜひ映画も見たいと思ったのである。他に零戦32型や故松本零士氏のお父様が乗機された97式戦闘機など、貴重な模型を見ることができた。

 次に西鉄で中洲へ移動し、昨年出展した西日本最大のポートレート展を鑑賞。こっそり行ったつもりが旧知の仲間達に激しく歓迎されて、思わず涙がこぼれそうになった。いつかまた出展で恩返ししたいと思ったのだ。最後は高速バスで小倉へ移動しホテルにチェックイン。ようやく荷物を下ろし、念願の資さんうどんを頂いてから小倉城のイルミネーションを見て、充実の2日目が終わった。そりゃもう、疲れましたけどねぇ(笑)。