御苗場Vol.28最終日。撤収もわずか30分で終わり、興奮のるつぼが夢であったかのごとく真っ白に戻った空間を背に、3331 Arts Chiyodaを後にしました。改めまして、今回の挑戦を見守り、声援を送って頂きました皆様に深く御礼を申し上げます。ありがとうございました。初日の深夜に、横浜での展示で意気投合していろいろ語り合った写真家からメールが届きました。「どうしても池田さんの作品が見たくて、本日無理くり時間を作って拝見致しました。迫力あるサイズでその場の空気まで伝わってきそうな臨場感溢れる展示は圧巻でした。何より航空機なのに主役が航空機じゃないところが大好きです!」私の表現意図がダイレクトに伝わったことを意味する見事なレスポンスに、まだ展示を見ていない自分でも興奮しました。
雲の上の存在である御苗場プロデューサーにして、著名な写真家テラウチマサト氏。2年前の横浜での展示のことをよく覚えていらっしゃってて、その時も好きだと言って下さってオークションノミネートを頂きましたが、今回もお会いできたのでお声がけさせて頂きますと、作品についてこのような講評を頂きました。
「頑張ってらっしゃいますね。前もそうだったけども、池田さんの写真はさぁ、よく見る飛行機の写真と違って、なんか愛があるんだよね。僕は好きです。撮り続けて下さいね」
こんなお言葉を頂いたら、ますますファンになってしまいます。昨夜一夜漬けで著書を拝読し、そのネタで盛り上がった甲斐がありました。屋久島に何度も通われたことや富士山が好きで河口湖に移住したことなど私と興味が似ており、勝手に親近感を覚えていましたが、得意分野を撮り続けて精度を上げてきた成果を認められた、レビュアー賞ノミネート!賞を戴くまでには他に8名の候補者がいて、結局レビュアー賞には届かなかったのですが、プロデューサー賞は表彰式の最後に発表される映えある最高賞なので、相当な評価を頂いた事になります。お陰で、最後までドキドキを楽しむ事ができました。
さらに前回オークションノミネートの審査員だった額装担当の方と再会し、航学出身の彼が僕の写真を見て「たぶん後輩」という奇跡的な指摘!百里の広報に聞けばアプローチ出来るかもとお伺いできました。可能なら基地に飾って頂きたい気持ちがあるので、メールでも送ってみようかしら。この方とも今度飛行機撮影にご一緒させていただく約束ができたので収穫でしたが、他にも横浜で会食した前回からの出展者、写真を買ってくださったお客様との再会や、共通の知人を持つ写真家との出会い、濃いめのペンタキシアンなど、まるで引き寄せたかのように熱い出会いが盛り沢山!アルコール入ったかのような、心地酔い時間でした。
コロナ禍で写真家たちは、自分の身近な空間に潜り、焦点を絞りに絞って表現してきました。各人の強みをブラッシュアップして、コロナ前やコロナ禍のメッセージを込めた力強い作品を押し出す。やはり皆さん、パワーがあります。御苗場というブランドの吸引力かもしれませんが、コンパクトな会場なので在廊者中心に片っ端から声を掛けて、ネタを仕込みました。同期の同志ってのは刺激的な存在。御苗場を目指して得られる事は、自分自身と向き合い、作品として成熟させて展示に至る。同じ経験を経て集った仲間と意見を交わし、新たな指摘に気付き、気付かされる。御苗場が終わった瞬間から、次の作品へ向かって全力ダッシュしたくなる、そんな場所です。
私がいいなと思って褒めちぎった作家さんはしっかりノミネートされ、また座り込んですごいを連発し私の作品を褒めて下さった作家さんも、レビュアー賞をゲットしていました。一方でノミネートを数多くゲットしても受賞に至らなかったり、素晴らしいと思った作品でもノミネートされなかったりなど一筋縄ではいかない部分もあり、選ばれなかった方の中には悔しがって、恨み節を連発する方も。クールを装うよりも感情剥き出しの方が芸術家らしくて、私は好感が持てます。自分が銀河系イチ写真が上手いと思うくらいでないと、わざわざこんなステージまで登ってこないような気がしますね。
まだまだ書き足りないのですが、得られた成果についてはじっくり反芻して、作品に還元したいと思います。また敢闘賞として友人から551HORAIの豚まん焼売セットを頂いたり、ノミネートのお祝いでヒレカツ¥2200を食べに行ったり、いくつか報酬もゲット。とにかく気分は、サイコー!だった初日の夜と、満足感と高揚感でふわふわだった最終日の夜。夢の舞台は、これからますます拡がりそうです。御苗場Vol.28会場ウォークスルー動画はこちら。