アメリカ合衆国海軍、ニミッツ級航空母艦3番艦カール・ビンソンが、急きょ横須賀基地を訪問することになりました。通常航空母艦が寄港する際は、60機ほど積んでいる艦載機を近隣の航空基地に移動させて空の状態で入港するのが一般的ですが、今回は緊急の補給等が生じたのか、艦載機を下ろすことなく港へ直行。広大な空母の甲板に艦載機を満載している様子は男の子にとって永遠の憧れ?ですが、今回それが間近で見られるかも知れないという状況に、関東在住の艦船、航空マニアのテンションが爆上がりしたのです。
アメリカ西海岸を母港とするカール・ビンソンの横須賀寄港は18年ぶりらしいのですが、別件で9月中に英海軍空母クィーンエリザベスの寄港が決まっていたので、それに向けて情報を集めていたところでした。まず接近が可能な遊覧船よこすか軍港めぐりは、コロナまん延防止策での運休中。他に艦影を拝みやすいのは東京湾の入り口である浦賀水道ですが、入港日の8月28日に運良く休暇を取れたマニアは、浦賀水道の千葉側と神奈川側あるいは、双方を横断するフェリーに乗船するなど様々な手段を用いて現地入りしたようです。夕方寄港の発表にも関わらず、横須賀から最も展望が良いと言われる安針台公園には早朝から脚立の密林が生い茂った写真がTwitterに出回って、新型コロナウイルスまん延防止措置やら緊急事態宣言はどこ吹く風の模様ですね。
残念ながら私は、土曜にも関わらず休日出勤が入っており、少なくとも入港を拝む事については半ば諦めていました。ただ当日の作業量を確認すると、ボリューム的には午前中に終わってもおかしくない少量であり、かつ新宿の現場から1時間半で横須賀へ移動できるため、ワンチャン狙って機材と私服を持参して出勤する事に。仕事だけなら工具と水筒くらいのところ、150-450mmのバズーカレンズと予備のコンデジRX10M4、広角用にGR3まで詰めたらリュックの重さがえらい事になり、常に前屈みで歩く羽目になりました。しかし周到な準備が功を奏し、奇跡的に14:20の解散となったので、とりあえず京王新宿駅の地下でチキン南蛮カレー¥760を頂いてから、JRと京急を乗り継いで16:00に安針台公園へ到着。お目当てのカール・ビンソンはロナルド・レーガン不在のバースにタグボートで船体を寄せている最中で、海上自衛隊護衛艦隊の先に巨躯を横たえておりました。
気温と湿度が高く、陽炎の影響で鮮明に写すのが難しい環境でしたが、フルサイズ換算720mmの射程で艦載機の登録番号までハッキリ記録できました。第二空母航空団の主力はF/A-18Eスーパーホーネットですが、電子戦機のEA-18Gグラウラーや早期警戒機E-2Dホークアイ、日本初来場となる海軍型オスプレイのCMV-22Bや海軍型ライトニングF-35Cなど世界最先端の装備がずらり!この一隻で国家を陥落させる事ができそうな恐るべき装備ですが、日本を脅かす中国や北朝鮮には大きな牽制になったのではないでしょうか。敵であれば脅威ですが、味方と思えばこれほど頼もしい存在はあり得ませんね。ちなみに随伴艦のアーレイバーク級駆逐艦「ストックデール」には、ODINと呼ばれるレーザー兵器も搭載されているそう。アニメのレーザービームのように光跡は視認できないそうですが、ドローンやミサイルなどのセンサーを焼却する出力があるそう。何より実弾不要で単価が安い(一発1$?)そうなので、今後普及するかもしれません。堂々たる威容を見せつけて、小雨の降る中、慌ただしくも8月31日の夕方に出港しました。アフガニスタン情勢が緊迫してきましたが、実戦で使われることのないよう祈りたいものです。。