冬富士を見納めに

冬の河口湖は雪景色が話題ですが、古いスタッドレスタイヤでは心許なかったのでなかなか行くチャンスに恵まれませんでした。そして天候によっては富士山が霧や雲で隠れる経験もあり、路面凍結が解消されて雪が残り、かつ晴天という希少な日を吟味したところ、2月23日の天皇誕生日が該当。朝9時に帰宅を出て、高速道路で河口湖へと向かいました。とりあえず以前訪れた河口浅間神社の遥拝所を目指して山道を登っていると、傾斜が急に変化した日陰の地点で凍結路に阻まれ、ツルツルの氷の上でタイヤが空転する事態に!タイヤの下に砂を盛ったり布を敷いたりしてUターンを試みるも後輪が溝に落ちる10cmまで迫ったため自力脱出を断念。保険会社やJAFにコールするもレスキューまで何時間かかるか分からないという事で途方に暮れていると、山頂から降りてきた四輪バギーの若者が「運転変わりましょうか?」と声を掛けてくださり、絶妙なアクセルワークで数秒で脱出に成功してくださいました!まさに地獄で仏と言いますか蜘蛛の糸を掴んだような心境でしたが、それまでも何名もの通りすがりの方々がいろいろ救助に協力してくださり、自分の愚かさと人の優しさを痛感させられました。帰宅後すぐ布製の緊急脱出用チェーンを入手したのは、言うまでもありません。

 河口浅間大社は潔く諦めて、聖地巡礼がてら乃木坂46「サヨナラの意味」MV撮影地である富士マリーナへ行ってみたら、場所の「うの島」は特定できたものの、ななみん(橋本奈々未)が立っていた中洲は水没していて微妙。消化不良のままお目当ての新倉浅間神社へ。慰霊の五重塔が有名な定番撮影スポットは、新展望台が落成したばかりで多くの観光客が訪れていました。天気が良すぎて雲がかかる時間も多かったですが、とりあえず記録写真を撮影。雪はすっかり消滅しておりましたが、桜の時期にはまた映えることでしょう。次に富士吉田市のレトロ情緒あふれる本町商店街で有名なカットを撮影。わざわざ撮影ポイントを教えてくれる看板があったので助かりました。最後に山中湖でダイヤモンド富士を撮ろうと思ったのですが、頂上に夕日が掛かる場所を見つけられず失敗。その代わりカメラマンがうずくまっている光景を見かけたので近づいてみると、湖面の氷がヨットの帆のように起きている様子を撮っていました。面白いシーンは足で稼ぐに限りますね。

 いくつかポイントを回って日没まで撮影しこの日は撤退。シーズン最後の目的は河口湖冬花火でしたが、これは3月12日に世田谷で撮影後とんぼ返りで帰宅し車を飛ばして、何とか撮影機会を確保しました。河口湖大橋より西側で撮ると左右2箇所から上がるので、ぎりぎり空いていた路肩に17時駐車。三脚だけ設置して車の中で待っていましたが、ざっと30名ほど集まっていて人気スポットだったのかも。20時から20分間なかなか見ごたえある花火でしたが、半月や煙の流れ方で富士山までは露光できず、微妙と言えば微妙。それでも湖畔のリフレクションは味がありました。やはり冬の花火は空気が澄んでいて格別です。今年の夏は花火大会が復活して欲しいものですね。