アラハンチャレンジ3rd

東京に来て3ヶ月が経過し、時間を持て余す事なく充実した日々を過ごしておりますが、高卒で都内に移住した親友と未だ会えず。彼と、彼の双子の弟とは幼稚園きく組からの付き合いで、ざっと40年以上!2019年1月帰省時の新年会以来、コロナ隔離の影響で会えずにおりました。加えて彼は日帰りで大阪出張をこなすほどの激務で、会う予定を組んでもリスケの確率は半々。まぁ別に急がずとも良いかなという、のんびりした気持ちでいました。ただ、会って何をしようかというテーマについては、彼が自前のスキー板を持っていた事を思い出し「私をスキーに連れてって(昭和)」と相談してみたところ、彼も2シーズン行けていなかったそうで快諾を頂き、都内在住スキーヤー御用達の新潟県越後湯沢まで足を伸ばすことに。悪天候やらスケジュールの都合で二度延期し、桜も散ってさすがに雪がやばい!今シーズンはほぼ諦めていたところ、年度始めの土曜が好天と予報されたためワンチャンありと判断し、2021/4/3に強行した次第。

 彼は前夜遅くに大阪から自宅へ戻り、そのまま拝島まで2時間かけて移動。わざわざお土産の豚まん(551HORAI)を届けに来てくれ、最低限の打ち合わせを交わしつつ取り急ぎ昭島のホテルへ送迎し、翌朝6:30にピックアップ。青梅ICから関越道経由で朝の9時過ぎには銀世界とご対面できました。「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という川端康成著「雪国」の一章節を彷彿とさせる、トンネルに入る前のどんより小雨模様から、一転の青空と雪景色!タイムトラベルで歴史舞台に躍り出た感がありますね。季節も春から冬に戻っているので、やはり時空を超えていたに違いありません。

 スキーは30年前にグラススキーを一回やっただけで、アイススケートとインラインローラー、スケートボードは少々。つまり滑る感覚は朧げながら理解しており、伊達に中・高・大と第一志望校を滑っておりません(!)加えて昨年登山で鍛えた体幹と、東京赴任後に筋トレで除去した5kgもの内臓脂肪が後押しして、数時間後にはパラレルターンでシュプールを描いているに違いない!と、密かに希望的観測を抱いておりました。板と靴、ストックを借りて、オフシーズン特価でポチったウェアに着替え、ロープウェイでゲレンデへ。標高の高い神楽ヶ峰一面に広がるかぐらスキー場を選びましたが、できれば御苗場写真展の前哨戦で苗場に行きたかったところ。それでも頭の中ではユーミンの「ブーリーザ〜ッ」と幻聴が響き渡り、俺ってトレンディ?など、年齢まで昭和に戻ってしまったかのよう。これは帰宅したら、浦島太郎な予感がしますね。

 さて、緊急事態宣言解除後初の好天に恵まれた影響かスキー場は駐車場の空きが乏しいほどの混雑ぶりで、人影を避けた平らな場所に移動し、まずは板を靴に付ける練習から。つま先を差し込んで踵で踏むだけで簡単に装着できますが、それは地面が滑らない前提であり、少しでも重心をずらしてしまったらあっという間に転倒します。次に、165cmもの邪魔な板をえっちらおっちら持ち上げながら、カニ歩きで傾斜を上がる。これも雪面に対して板のエッジをざっくり刺して、その抵抗を確保してから登る感覚。いやーこれは難しい!!ちょっとでも滑り出したら慣性が収まるまで止まらないため、踵から後ろの板を大きくハの字に開き、かつ内側のエッジを立てる事で止まる。ここで二時間ほど、登っては滑って止まるを繰り返し、汗だくになりながら初級動作の習熟に費やしました。

 いやはやこれは予想以上に、滑る!アイススケートでリンクに降りた一歩目で尻餅を付いたごl経験があるかも知れませんが、アレと遜色ないちゅるんちゅるん。それでもスキーとは重心コントロールのスポーツであると理解し、覚えたてのボーゲンでジリジリと坂を降りながらリフトへ。マックスで10mくらいの高さまで上がるリフトは普通に高所恐怖症を誘発しましたが、とりあえず写真家として、首から下げたGR3で記録。GoPro動画もバッチリと気を紛らわせたのも束の間、外したグローブが行方不明な事に気付きました!結局最後まで見つからず友人から片方お借りしてしまったのですが、登山中にも同じような状況でグローブを落としたことがあったので、学習能力がないなぁと意気消沈。もし零下だったら中止ものの事故でした。

ボーゲンで初めて転ばずに停まれただけの動画

 気を取り直して、一つ目のリフトの頂上から滑り降りるだけの練習を開始。もちろん初級者向けのコースながら傾斜はそこそこあり、停止を習得していないと命の危険もありそうな場所。板の後ろをカパカパ開閉しながら、速度調整や停止の感覚を覚えます。油断して板が平行に揃ってしまうと途端にスピードが上がるので、制御が追いつかない場合は尻餅ブレーキ。何度も転び起き上がりながら練習を続けるとマスクや高地の影響もあってか過呼吸で苦しくなるように。あぁ僕にはスキー無理だったなと薄れゆく意識のまま這々の体でレストハウスまで降りて、とりあえずコップ8杯もの水をがぶ飲み。つまり脱水症状だったのですが、そりゃ16度もあり紫外線地獄で慣れない動作を繰り返すのだから、あっという間にへたりますわ。スキーは登山と同じなので、必ず水分と行動食を携行しましょうね。

 ついでにタラコと雲丹クリームの和風パスタ¥1300でカロリーチャージを行い、気力と体力を回復して再びリフトへ。2回目は初回よりもずいぶん滑れるようになり、曲がりたい方向と反対側の板を内側に寝かせるボーゲンターンを繰り返しながら、鈍角のジグザグや危険回避ができるように。ここまで来ると、初めて山に登ったあの時のように「スキー最高だぜ!」と思っている自分がいました。この時点での課題はターンに余計な力を入れすぎて膝が悲鳴を上げて停止というくらいでしたが、転んで起き上がらないちびっ子スノーボーダーを尻もちブレーキで回避するなど、だいぶ周りも見えるように。おそらく次回来た時は、短時間で次のステップへ上がれる事でしょう。

 時期が時期だけに雪質は最低レベルの湿雪。水分を多く含んだ重い雪で、これが板にまとわりつく事で余計な疲労が蓄積しましたが、サラサラのパウダースノーだとターンもだいぶ楽にできるそうなので、来シーズンは早めに予定を組みたい。十分な成果を上げてすし詰めのロープウェイで下山し、途中有名な谷川岳麓のサービスエリアでお土産のモツ煮をゲット。夜の8時過ぎには自宅最寄りのファミレスでサラダバーをつつきながら、素晴らしい一日を振り返りました。ポイントとしては停止は足を突っ張って板をハの字に、重心を垂直に保ったまま直立。スピードを出したい時は膝を緩めて板を平行に揃えて前傾、ターンはくるぶしを気持ち捻る感じで板の角度を変え、内側の板は気持ち浮かす。今日のノートはこんなところでしょうか。もうボーゲンまでは教えられるかも(笑)アドバイスやレスキューはもとより、経費のほとんどを負担してくれた親友W氏にも、改めて感謝申し上げます。これはスキー登山が見えてきた、かな!?