御苗場終了後のアフタートークイベントで、写真評論家の飯沢耕太郎さんと写真家の大和田良さんセレクト作品の講評がありましたが、なんと飯沢さんに次点選出を頂いておりまして、「ファントム愛が溢れた作品ですが、池田さんはすごく独自の視点を持っていて、普通は飛行機が好きなら飛行機自体のディテールを掘り下げると思うのですが、この作品ではあえてヒトに着目しています。まだ独自性までは到達していませんが、もっとヒトに寄せていけば面白い飛行機写真が撮れるのではないかと期待しています。」との講評を頂きました。正直SNSではこの手の作品はありふれていると思いますが、プリントで、しかもB0を敢行したのは僕が初めてかもしれませんし、これも「見たことがない」表現として評価を頂いたのではないかと思います。テラウチマサトさん(御苗場プロデューサー、Phat photo写真教室校長)にせよ飯沢さん(同講師)にせよ、ガチで写真の専門家であるお二方に期待して頂きました。感激で鳥肌ものですね。
こんな感じで大団円の終幕を迎えた御苗場vol.28ですが、実は御苗場チャレンジの合間を縫って、あいち航空ミュージアムのフォトコンテスト(6/28まで同館にて展示)と、第51回南日本写真展(6/29~7/4:鹿児島市立美術館ににて展示)に出展。それぞれ佳作と入選を受賞し、御苗場の評価を含めてグランドスラム?的な快挙を成し遂げました。とりわけ南日本写真展は鹿児島を離れたこともあり、もはやネタ切れでなんとか入選に引っかかって欲しいという苦し紛れの一枚でしたが、それよりもいい写真だからみんなに見てほしいという思いが強く、その辺りを審査員の方が汲み取って下さったのだと思います。四年連続入賞はいちおう目指しますが、いつか娘とアベック受賞できたら最高です。このように快挙が続きましたが、鉄道写真でも、メールでスカウトされ私の作品が掲載された写真集「紙面で楽しむ鉄道絶景の旅:いろは出版」が8月に出版されます。誰かが活動を見てくださっている事が、撮り続ける動機に繋がりますね。
御苗場2回出展、南日本写真展三年連続入賞で一人前だと勝手に思っていたので、一つ壁を乗り越えられた気がします。ただ、同時に今後どこへ向かうのだろうという思いも強くなり、プロカメラマンとしての道のりは諦め半分と言いますか、凄腕のプロの先輩方が決して楽ではない様子を垣間見ると、既に会得している技術で食べていける身分の方が魅力的であり、あえて茨の道を選ぶだけの動機に至りません。であればセカンド・スキルとして、撮影技術の向上に経費を費やせる現在のスタイルは割とバランスが良く、本業が順調なうちに副業の経験値と人脈を蓄えて行く方針はアリかと思います。今回の展示のためにDTP(写真集・名刺・チラシ・ハガキ)やWEB、ムービーまで自作し、マルチクリエイター的なアプローチも試みましたが、それらも印刷会社勤務やパソコン教室経営、ITインストラクターとしての経験が生きました。社会貢献と家族の安定生活、そして自分の着地点を見据えて、何ができるか考えていきたいと思います。
2ヶ月に及んだ、さよならファントム企画展。ひとり相撲かと思いきや、御苗場では私の作品について「一体どんなシーンなのか?」とお尋ね頂くことが多く、その度に百里航空祭や第501飛行隊の任務についてたっぷり解説させて頂きました。インストラクター時代の名残として、自分が話している間は必ず、自分が何を話しているのか客観的に観察するようにしているのですが、好きな事柄に対して解説することほど楽しい時間はありません!在廊と接客はやはり展示には欠かせませんね。さて、終わってみればファントムの退役は既に過去の出来事となり、クズ鉄リサイクルを惜しんだとしてもリサイクルされるだけマシな方で、私が今生涯を閉じたら、膨大な不良債権に家族が悩まされることになるでしょう。終活を見据えて、メモリーカード一枚だけ残して去りゆく人生も、悪くはないですね。写真家としての精度を高めるべく、断捨離に努めたいと思うのです。来週よりブログに関しても平常運転に戻りますが、皆様の心の糧につながるような内容を引き続き模索していきます。ご贔屓に~