緊急!一式双発高等練習機

立川市の旧陸軍立川飛行場跡地で操業する立飛ホールディングスにて、2021年11月25日(木)~11月28日(日)の4日間、一式双発高等練習機の一般公開が告知されました。現在は不動産取引が主な業務だそうですが、前身は立川飛行機で、同社初の全金属製飛行機である一式双発高等練習機を開発した経緯があります。この機体は2012年に青森県の十和田湖から引き上げられ、三沢航空科学館で展示されていたものが里帰りを果たした現存する唯一の機体だそうで、墜落した場所が30mほどの浅瀬であったことが幸いし、大きく崩れることなく引き上げに成功したのだそう。海水でなく淡水なので錆や塗装の劣化などが最小限で済み、製造当時の特徴が残されている事で重要航空遺産にも指定されているそうです。

 開催わずか4日間にあたり、土日勤務が多い事から見に行けるかどうか微妙でしたが、11月26日に昭和記念公園でのポートレート撮影後行ってきました。西立川駅付近から立川IKEAの先にある入口まで3kmの道のりを、キャリーカートをゴロゴロ引きながら歩くのは大変しんどかったですが、アルコール消毒と検温、氏名記載の受付を終えたら誘導路に立ち並ぶ従業員の皆様に次々と挨拶され、格納庫に入ったらペットボトル飲料のプレゼント!気持ち悪いほどの歓迎ぶりに萎縮してしまいましたが、十和田湖から引き上げた時の様子のドキュメンタリー動画を放映したり、内部が見やすいよう翼や胴体をあえて分割した展示方法など、戦史マニアでなくても魅力的。コックピットの計器類や機体の銘板など、よくぞここまでさらったものだと感心するほどのコレクションでした。

 特に日の丸の塗料や文字なども明瞭に残っていて、厚さ1mmにも満たないジュラルミンの断面は鋭利で美しい。先日十和田湖を見学したばかりなので親近感を覚えます。飛行機の内部を見るための列は20名ほど続いており、並びながら触れるほどの距離で機体を凝視。照明工夫されていて内部構造もはっきり観察することができました。退館時にはイラスト入りのトートバッグをお土産に頂きましたが、これらの力の入れ具合はSNSで拡散されて、週末は大変な騒ぎになったそうです。今回は四日間だけの一般公開でしたが、展示方法を変えるなどしていずれまた公開の機会を設けてくださるそうです。楽しみですね。