岩国フレンドシップデー2024

ホテルを出て岩国駅へ向かうと、10:30にも関わらず03:00に到着した昨年よりも列が長い。仕方なく屋根無しの歩道の脇にマットを敷いて宿営地を確保し、11:00に閉店するセブンイレブンで朝食を購入。改装して間もない駅のトイレはピッカピカで、24時間ウォシュレットが使える神対応。夜の冷え込みを予想して持参したダウンオーバーパンツとファインメリノウールインナーをTシャツの上に装着したが、腕など敷石に直に当たる部分からは冷え込みが浸透し01:00からの1時間しか眠れず。AZで知り合ったフォロワーさんが後で合流しましょうと誘って下さったため、当初岩国駅からシャトルバスを使う予定を03:00にタクシーで西門移動に変更。急にチームに加わったためフォロワーさんが乗れなくなるという事態(当たり前だが)が生じたものの、フォロワーさんは荷物だけタクシーに乗せて身体だけで颯爽と走って行かれたのだ!いや、そんな畏れ多い展開とは思わず、こんなに甘えて良いものかと恐縮しつつも5分ほどで西門へ到着。行列は200mほどだったので、交代で300mほど先のセブンイレブンでトイレをお借りし、身体を温めるために缶コーヒーを買った。列圧縮後の05:30に2回目のトイレ休憩を勧められたため甘えて行かせて頂くと、用を足したらなんと開門されているではないか!2人分の荷物を置いたままで3人でどう対応したのか頭をフル回転させつつダッシュで戻り、まず既にチームは居らず荷物も消失している事を確認、横入りと見られる事を構わず列に合流して入門し、手荷物検査の前まで来たがチームは見つからない。ようやくDMで門の外に待機と知り戻ってみると、1名と僕のキャリーケースだけ残して待っていて下さった。何でも1人が有料観覧席の確保にダッシュして、1人が無料の最前列を確保。1人が私の残りの荷物とダッシュした方の荷物3.5人分を持って無理やり手荷物検査を突破して下さったそうだが、明らかに1人では運搬できない荷物の量や次々と出てくる大量の飲料や望遠レンズを持ち込む怪しい日本人を前に「Crazy Man!?」と指摘を受けるも「Life water!」やら「All baggage are mine!」と必死の抵抗で粘って頂き、汗だくで持ち込んで下さったのだそう。特に僕の命綱である560mmの入ったリュックは前抱きで大切に抱えて下さったのだそうで、これには感激を通り越して放心してしまい、只々お詫びとお礼を申し上げるしかなく、自分の荷物とエリアハンターの荷物を分担して07:00の開門を待ち、07:20に無事合流を果たした。

  

 申し訳ないが事が終わった後は笑い話として大いに盛り上がり、このハプニングが即席チームの結束を強固に繋いでくれたように思う。出会ったばかりの愛知や新潟や仙台からいらしたお友達には感謝が尽きない。おかげでブルーインパルスを目前にした最前列を観覧席兼荷物置き場に構築できたため、とりあえずエプロン端のウイスキーパパ内海昌弘さんへ挨拶に行き、航空ファンの神野編集長や写真家の赤塚聡さんともご挨拶。流れで室屋義秀さんのパスファインダーに転職された元◯◯の方に再会したので名刺交換させて頂いた。その後撮影場所へ戻るとスケジュールになかったC-2Aグレイハウンドが離陸してテンションが高まる。次にチーム・ファストラックスを乗せたKC-130が離陸し、国歌の演奏に合わせて日米両国の国旗を模した帯をはためかせながら2名のスカイダイバーがパラシュート降下。次にウイスキーパパのMASAさんがエクストラ300でアクロバット飛行し、原子力空母ロナルド・レーガン艦載機のCVW5所属F/A-18Eスーパーホーネットが五機離陸後編隊でローパスを行った。珍しい戦闘機同士の空中給油も見られたのが収穫だったが、間髪を入れず地元のF-35Bが短距離離陸して、最大戦速による豪快なベイパー・コーンを拡げた。空中で静止したまま垂直着陸で終了後にブルーインパルス!演技はもちろん素晴らしかったが、前列に紛れ込んできた小さな姉弟とおしゃべりしながらの見物がとても楽しかった。

 

 ここまでで既にお腹いっぱいの満足度ではあったが、一番の見どころは昨日に引き続きMAGTF、海兵隊機動部隊のデモ!KC-130、F/A-18Dホーネット、F-35Bが離陸して空中給油デモを行い、MV-22、CH-53E、UH-1Y、AH-1Zなどのヘリコプターで対地攻撃支援!圧巻は戦闘機による模擬空爆後に立ち上がる炎の幕だったが、実は昨日堤防で撮影中に、日本航空写真家協会の瀬尾会長から「ブルーインパルス単機の背後に上がる炎を撮ってこい!」と指令メールが下ったのである。何でも出版準備中のブルーインパルス写真集に必要だったそうなのだが、久しぶりに「仕事」としてのオーダーに興奮しつつ、踏み台を抱えて撮影場所を微調整した。そもそも有料観覧席からばっちり見られるように配置されていたため非常に難しかったが、推しの6番機加藤一尉の愛機「666」をフレーミングし、肉眼で戦闘機の軌道を捕捉しつつ、光った瞬間にシャッターを押し込む。炎が上がるのは戦車のマズル・フラッシュと同じでほんの一瞬なのだが、珍しく素晴らしい成果を上げられた。思えばこの撮影が、プロカメラマンとしての自信に繋がったのかもしれない。また今回特別にアメリカ本土から駆け付けたF/A-18Eスーパーホーネットのデモチームがダイヤモンドバックスの機体を借りてデモンストレーションを行ったそうだが、F-35Bや空軍のF-16バイパーデモチームに負けない素晴らしい機動を魅せて、まさに映画トップガンの世界を彷彿させた。室屋義秀さんのアクロバットも素晴らしかったが、レクサスとのコンビネーションはひたすら低く、撮影自体に興奮した。シャッタースピードを1600まで上げることで歩留まりが向上することを確認し、非常にキレの良い成果が生まれたのも僥倖であった

 

 昨日に引き続き2度目のフライトを行った内海さんも魅せたが、トリを務めたのは築城基地第8航空団第8飛行隊ブラックパンサーズの日本一すごくすごいパイロット「GEOS」3佐の岩国スペシャル!空域が狭く非常に制限が多かったのだそうだが、最初のハイスピードパスから画角に追いきれないほど速く、パンサーはパンサーだった。脚やエアブレーキを展開したままのハイレートクライムはジオスターンと名付けられたそうだが、これにはアメリカ人も度肝を抜かれた事だろう。天候にも恵まれて過去イチ盛りだくさんの内容に、やはり来て正解だったのである。余韻を胸にフライトラインを後にして、地上展示機のブースで厚木で写真を撮って頂いたタロンのミラマー卒業生「トップガン」と再会!写真を差し上げてサインを頂いた。ファイティングベンガルズのブースでパッチを購入し、三沢から来たグラウラー部隊のRAMPAGEを撮影。ほぼノルマを達成して基地を出る。シャトルバスはガラ空きらしかったが、余韻を噛み締めつつ岩国駅まで歩いた。途中タクシー待ちの行列に遭遇し、なかなか来ないタクシーに痺れを切らした客と警官の小競り合いを横目に休憩を挟みながらようやく駅に到着。知り合いに教えて貰ったラーメン屋に並んでラーメンライスを頂いたのだが、これがもう絶品で感動した!中華そばと名乗りつつルーツは尾道ラーメンらしいのだが、甘めの醤油に背脂がクリティカルヒットで、ご飯が進む系のスープ。大サイズにしとけばよかったと後悔した。腹も膨れて、岩国駅バス乗り場でフォロワーさんと談笑しつつ再び夜行バスへ搭乗し、途中のSAで朝マックを平らげ、八重洲で成分献血後カレーを食べて帰宅した。0泊3日の過酷なツアーだったが、最高の収穫!次週横田基地連チャン、その次は北海道なのだが、身体が保つんだろうか(汗)。