宮島・呉観光2023

岩国訪問の目的は米本土から演習でやって来たF-15Eストライクイーグルの撮影で、万一14日に飛ばなかった時の保険で翌15日の旅程を確保していた。結果的に14日の夜行バスで帰っても問題ないほど撮れ高を確保し、15日は土曜日のため動きが少ないだろうと予測。飛行機撮影は終了して潔く広島方面へ戻る事を決意した。朝5:00に起きてシャワーを浴び、06:00に朝食バイキングを堪能して06:30にホテルをチェックアウト。岩国駅から山陽本線で宮島口へ移動し、まずは30年ぶりに宮島へ渡る事に。

 前回は海上に浮かぶ厳島神社の鳥居が修復中で拝めなかったのだが、今回は真紅の鳥居をしっかり拝めた。早朝のため参道のお店もまだ準備中、本殿も土曜日とは思えないほど客がおらず、凛とした精気を浴びつつ世界平和を願う。ご朱印を拝領してそそくさとフェリーで宮島口へ戻り、一気に呉まで電車で移動、次に呉湾艦船めぐり12時便のチケットを購入したのである。

 こちらも10年ぶりの乗船だったが、今回はくれない5というオープンデッキのかっこいい遊覧船が就航していた。客船ターミナルの最上階から眺めの良さそうな場所を確認し、一番乗りで列に並ぶとそのままYOKOSUKA軍港めぐりと同じように左舷最後尾に陣取る。わずか35分の航海だったが元海上自衛官のマニアックな解説を聞きつつ、目的だった空母改装中のDDH-184かがを拝んでミッション・コンプリート。近くの呉ハイカラ食堂でテッパンカレー¥1500を頂いたが、潜水艦カレーのまろやかさと絶妙な甘辛さの虜となり満足。肉じゃがや鯨カツも絶品だった。飲料を2L購入して3km先の潜水艦基地アレイからすこじままで歩いてみたが、思ったより起伏が大きく激しく疲労したため、帰りはバスを使おうと心に決める。

 道すがら歴史の見える丘があり、戦艦大和を建造した旧呉海軍工廠を一望できたのだが、大型タンカーなどを建造できるドックが連なってスケール感に圧倒された。むしろ歩きでないと立ち寄れない歴史遺産を肌で感じつつ、アレイからすこじまで潜水艦を撮影。今日は7隻停泊していて、海上自衛隊保有24隻の1/3程度が集結。さらに潜水艦救難艦ちはやに音響測定艦はりまも従え、潜水艦基地としての風貌を整えていた。日が暮れる前にバスで呉駅まで戻り、広島駅で市電に乗り換えて原爆ドームへ。おそらく初訪問だったのだが、ドーム前の川でも多くの被爆者が水を求めて焼け死んだのだろう。鼻の奥がツンとして居心地が悪かったため、ドームを一周し最低限の撮影で退去。色々な国の若い観光客がドームの案内板をじっと眺めていたが、生き方になんの落ち度が無くても無差別に焼き殺される理不尽を理解して貰えたのだろうか?そんな時私たちはどうすれば良いのだろうか。永遠の課題である。

 夜行バスの出発まで残り1時間。外食する時間を消失したため、たまたま目についた大好きな八天堂のクリームパンを買って、ローソンで桜島鶏のチキン南蛮弁当みたいなものを購入しイートインでかっ込む。まるで別れを惜しむかのように雨が激しく降り出したため、例によって荷物を2個イチに束ねて預け、行きと同じオリオンバスに乗車。帰りはバスがアップグレードされていて、新宿まで非常に快適な時間を過ごせた。腹六部くらいでバスに揺られたため電車に乗る前にバーガーキングでスパイシーワッパーとコーラ、チョコサンデーというジャンクフードで乾杯する。今回も低予算ながら、非常に密度の濃い旅であった。