毎年8月にペルセウス座方面からやって来る流星が、地球の引力に引き寄せられて発光する流れ星をペルセウス座流星群と呼んでおりますが、今年は8/12 22:00頃が極大日と言って、今シーズン最も多く流星が見られる時間帯とのこと。天気も良さそうだったので、とりあえず光害の少なそうな場所を求めて、薩摩川内市入来町の国立天文台VERA入来観測局へ。夜の九時頃には多数の家族連れが見学に来ていましたが、彼らが来たり帰ったりする度にヘッドライトやテールランプの光害に気を配らねばならず、なかなかストレスの溜まる撮影となりました。
また、周囲に時折雲が降りてきて、視界の悪化はもちろん、結露でレンズが濡れるようになり、雲のない場所を探す、レンズチェック、もちろん流星も探すという作業を繰り返します。一回だけ、火球レベルと言われる長大な流れ星が北から西へ駆け抜け、思わず「うぉう!」と声が出てしまいましたが、残念ながらカメラを向けていない方向でした。北の地平線近くにペルセウス座があって、こちらの方向から全天空のあちこちに、1時間に30個の割合で見られるそうですが、4時間近く観察しても確認できたのは10数個で、小さな傷程度に撮影できたものが一枚。結露でぼやけており、あまり芳しい結果とは言えません。
このようにどこに現れるか分からない流星撮影は先日の彗星より難易度が上がりますが、翌日は友人が頴娃町の番所鼻公園で撮ると聞き、中山ICから南薩縦貫道で1時間、峠をすっ飛ばして駆けつけます。お初の方や馴染みの方々など総勢4名で、めいめいの手段でセッティング。光害の少ない素晴らしい星空もさることながら、なんと季節外れの蛍が乱舞しており、この辺りでは年中見られるそう。蛍が写り込んだ銀河なんて映えるなぁと妄想しておりましたが、まさかの一枚だけ撮影に成功しておりました。知覧富屋食堂の逸話によると、ホタルになって帰ってくると言い残して出撃した若い特攻兵がいらっしゃったようですが、お盆前のこの時期に、特攻作戦直前の国土の見納めであった開聞岳に近いこの場所でこんな場面に巡り合えるとは、なんだか胸が熱くなります。
私の撮影方法は、焦点距離15mmF2.8の広角レンズで、絞りF4、iso1600で60秒または、iso3200で30秒露光。本来であればインターバル撮影という、あらかじめ設定したら勝手に撮り続けてくれる機能がありますが、方向や高度、画角を変えたかったこともあり、3時間あまり手動でシャッターを切り続けました。今回の流星群は基本的に数が少なく、暗い短いものが多くて、目では追えるものの画角内に確保するのは容易でない。もはや捉えたらラッキーという軽い気持ちで、最終的には美しい天の川ばかり撮っていました。iso800で3分放っておいても、PENTAXの独自機能であるGPS連動天体追尾機構「アストロトレーサー」のおかげで写りはバッチリ。トイレやジュースなども適宜行い、楽しみながら観察できました。ただ海の近くにも関わらず蒸し暑さがひどく、例のモバイルファンが活躍しました。
結果的に流星を画角に捉えた写真は3枚。前日に比べれば大勝利でした。加えて今年初の蛍も収められたので大満足です。一人で撮るのも楽しいですが、友人達と成果に一喜一憂しながらも楽しいものですね。