昨年に引き続き、FIXTYLE PORTRAIT FUKUOKAと、同時開催された空想展という写真展を見に行きました。西日本の写真家を中心に毎月開催している勉強会「ポートレート準備室」が主体となり、日頃研鑽した作品を福岡アジア美術館で展示するという壮大なイベント。さらにHASEO氏とイルコ氏という、ポートレートに関心がある方なら知らない人がいないほど有名な写真家の作品もゲスト展示され、作家も在廊し解説して頂けるそう。これは行かねばと9月17日の深夜に自宅を出発し、車中泊を経て車で福岡入り。平日の夕方は客よりも出展者が圧倒的に多く、じっくり鑑賞し、かつ作者と語らうことができました。
皆さんとのお付き合いは2018年冬の長崎忘年会に始まり、2019年春の横浜御苗場で近隣展示、初夏のFPF2019観覧と夏の撮影会に加えて、冬の忘年会へも参加しました。今回の展示もお誘いいただいたような気がするのですが、なぜお断りしたのか理由が思い出せません。強いて言うなら、コロナ禍でストックがなかったのか、あるいはいつものチキン野郎が臆したか。今年は新型コロナウィルスの影響で写真界隈のイベントが軒並みキャンセルとなる中、九州最大規模の展示を目指して少ない準備期間をものともせず、運営及び出展者の皆様が発奮。アンケート記入後ハッシュタグでのSNS拡散で軽く千円はしそうな図録まで頂き、改めて圧倒的なエネルギーを感じました。フィルターやストロボメーカーなどの協賛展示も充実していて、主催者UGさんのお人柄がなせる技だなぁと感服。ホント無料でいいんですか!?
撮影ブースでは鹿児島から偶然いらっしゃったモデルの玲奈さんを、以前ポートレート準備室でもご指導いただいた野田眞直プロの設定でオフストロボの試写体験。PENTAXでもプロフォトのCanon用コマンダーが使えることに驚きましたが、まさか買ったばかりの85mmF1.4での初撮影が、福岡で玲奈さんを撮ることになるとは面白いもんだなと思いつつ、大変貴重な時間を過ごすことができました。ちなみに翌日は鹿児島から7名も集まったので、夜は飲み会になりました。
翌日夕方に同所で開催されたポートレート準備室出張編では、自分が撮ったモデルさんの写真をプレゼンした後、プロカメラマンにギタギタに酷評される様子をモデルさん本人に見てもらうという公開処刑を、あえて演じてみました。この日は活動を始めたばかりのモデルさんを野河内渓谷と糸島海岸で撮影させて頂いたのですが、昨日の展示に感化されて、かなり細かくポージングを指示。少しでもよい作品になるようモデルさんに写真を見せながら現場修整を行いましたが、撮った後にもこのようなガチの世界があるという事を知っていただければという思いでした。成人したばかりの彼女には酷な内容だったかもしれませんが、ダイヤの原石と思っているので、今後も磨き続けてほしいものです。
写真展示会では、プリントして掲示するので立体感はもちろんのこと、大きさ、額装、用紙、コーティングなどいろいろな要素を確認することができます。私も以前は出展なんてお金が掛かるしと金銭的デメリットしか頭に浮かびませんでしたが、Webの世界で画面で見る作品は、実は作者の意図を反映できておりません。なぜなら作者が自分の機材(ディスプレイ)で仕上げたものが最終的な色合いになるので、ネットにアップして他者が見たとしても、画面が違うので極端な話フェイクに過ぎないと言えるかも。プリントであれば、作者が指示し納得したものが飾られるはずなので、これはオリジナルの作品として価値があり、評価に値します。
この事を知らずに先輩からいろいろ教わりましたが、それならば一番映えるクリスタルプリント一択で〜、というクリスタルプリント病に陥り、あげくライティングや外光反射を考慮しなかったため、実際の展示では見えずらくなったという事故に。そこからどこにどんな感じで展示するのかを考え、適した用紙やプリント方法、額装を選ぶという発想が初めて浮かんだものです。私もアクリル板を貼るプリントや和紙印刷を依頼してようやく、その奥深さを確認できました。今回の展示では統一されていなかった(作者任せ)ので、様々なパターンを見ることができ勉強になりましたが、見栄えが上がるごとにお値段も・・・。写真家の道は険しいですね〜(涙)いつかポートレート作品も、豪快に展示してみたいものです。
告知、下記の作品展に出展します。
- 千聖展Ⅱ
- 開催期間:2020.10.18~11.29 2021.1.5~1.31
- 開催場所:shop&gallery SOMETHING 2階 鹿児島市東千石町11-14-2
- 開館時間:11:00~18:00 入場料500円