さよならギッパー

ゴールデンウィークは岩国だけでなく、僕にとって運命の分岐点を感じるようなイベントが多々あった。締めくくりは原子力空母USSロナルド・レーガン最後の帰港。ちょっと予定があったため早朝の横須賀は面倒だなと思ったのだが、収穫に恵まれた黄金週間の流れ的にはGo!である。朝04:30に自宅を出て安針台公園へ到着すると、既に最前列はほぼ埋まっていて、許可を頂きつつ1人分のスペースをこじ開ける。先のドローン騒動を警戒して神奈川県警のパトロールも物々しい。

 

 海上保安庁や海上自衛隊の船艇も慌ただしく周回する中、まずはいずもの岸壁に係留されていた護衛艦DD-110たかなみが出港していった。入れ替わるように巨大空母が時間通りに入港し、最後の入港にも関わらずサクッと12号バースに収まった。なお続けて横須賀の主ことDDH-183いずもが帰港すると知り、安針台公園からコースカベイサイドまで向かう。ヴェルニー公園は春バラが咲き誇り、オクトーバーフェストの準備で賑わっていたが、酒は飲めないためスルーなのだろう。軍港めぐりの10時便は売り切れだったため11時便を確保し、最前列を確保するために並んだ。残念ながらいずもは沖で迎撃できず接岸寸前まで帰港していたが、タグボートで接岸する様子を見られたのは良かった。

 

 修理状況が芳しくなく予定を大幅に超えて滞在中のイギリス海軍フリゲート艦スペイをゆっくり鑑賞し、すっかり修復が行き届いたロナルド・レーガンと最後のお別れ。最後に乗艦できた事が何よりの思い出である(5月16日に離日)。またいずももF-35Bを迎え入れるための改造にかかるため、まもなく横須賀を離れるらしい。特別な日に撮影できた事に感謝しつつ、食事も取らずに次の目的地へ。元々今日は栃木へ花火を撮りに行くつもりだったのだが、横須賀が長引けば断念するつもりだった。しかし収穫に満足し気分がノっていたため、迷わず栃木転戦を選んだのである。

 

 ただ土地勘が薄いため都心の混雑をどう迂回すべきか判断できず、とりあえず町田方面まで西進し、川崎を経て練馬から高速に乗り、15:30に佐野SAへ到着。名物佐野ラーメンで昼食を摂り、17:30に花火大会会場である葛生地区へ。田んぼと花火のリフレクションが撮れる場所を現地の係員に尋ねたら丁寧に教えて頂き、いい写真が撮れます様に!とエールまで頂いた。これで発奮しないはずがなく、念入りに機材を調整して花火を待つ。7時から1時間ほど上がった花火は素晴らしく、迫力があった。欲を言えばもう少し広角で撮るべきだったが、今年の初花火としては充分に及第点。満足して下道を激走し、日付が変わるギリギリ手前で帰宅に成功した。1番の収穫は、田舎の風景に触れられた事だったかもしれない。