松島基地航空祭2023

慣れない靴とインソールのおかげで足指の過半数がベロンベロンに剥けた朝。始発に間に合うようホテルを出るつもりが天気予報もよくないそうで気分が乗らず、朝から大雨だった昨年同様ダラダラ支度。コンビニで朝飯を購入し仙石線ホームで待っていると、急に話し掛けて下さった方が「1番線の方が速いのでは?」とアドバイス。私は仙石線しか矢本に停車しないと思い込んでいたのだが、提案に従って東北本線の快速に乗ったおかげで、僅か半分ほどの時間で移動に成功した。ばら撒き用の東京ばな奈で細やかにお礼して、駅から真っ直ぐ若松門へ。ほどなく手荷物検査が始まり、簡単なチェックで入場。内陸部は青空が垣間見えたが、雨雲レーダーによると海側から湿った雨雲が飛来する見込み。今回もずぶ濡れを覚悟したが結果的に終日雨粒ひとつ降らない快晴に恵まれ、2回のブルーインパルス・フルショーも無事行われた。晴れ男の面目躍如と言いたい所であるが、基地内ハンガーにてるてるちゃんという巨大てるてる坊主が鎮座していたので、どうやら彼女のご利益らしい。今日はなんとなくF-16バイパーデモチームの正面に陣取り、プリモ以来の密着取材。プリモ大尉の後任のシリウス少佐と同様バンタム大尉はかなりのジェントルマンで、飛び方も正確さが際立つ切れ味だったが、着陸後は私たちの目の前でファンサービスを行い、撮影やサインにも応じてくれた模様。

 その後ブルーインパルスの午前の部が始まったが、ショーセンターがどこなのかいまいち理解できず立ち位置的には失敗で、予想しなかった方向からの展開はカンが追い付かなかった。午後のブルーも逆光で、東北らしくない高温多湿にすっかりダレてしまい、絵面的には満足行く成果は出せなかった。帰宅後のレタッチで一応自分が何を撮りたかったのか理解できたが、飲料を購入するのに1時間並ばねばならない地獄絵図は何とかならなかったのかと思った。私の命を救ったのは持参したおにぎりと塩分補給タブレット、2リットルのお茶で、売店をあてにしない基地活は今後も心掛けたいものである。なるべく早く仙台に戻るつもりが、松島遠征最大の目的だった陸上自衛隊V-22オスプレイが木更津駐屯地へ帰投する準備を始めたため、結局彼が離陸するまで待機してしまう。おかげでオスプレイとUS-2の帰投を拝めたのだが、残り物に福がある典型的イベントであった。

 サプライズイベントは築城時代からF-2の機動飛行をイラストで紹介していた鉄オタ画伯のマーズ3佐とお会いできた事。何でもF-4からF-2に機種転換したベテランパイロットらしく、ガチの鉄道ネタを織り込む事で鉄道界隈からの信頼も厚い。パイロット志望の若者を真摯に仲間へ誘う様子も素敵だった。彼が指で持て余していたナルゲンボトル(登山家、キャンパーが愛用するプラ水筒)がカッコよかったので、帰宅後すぐにモンベルでジェネリック品を購入したほど。保温、保冷性能は乏しいが私の持っている真空断熱容器に保冷剤と入れておくとキンキンに冷えるので大変重宝している。また渋滞時には緊急避難的なトイレの役割を果たすかも知れない。仮に緊急避難した場合の、ジェネリック・ナルゲンボトルのその後の処遇については、神のみぞ知る事になるのだろう(?)

 矢本駅から仙台方面の電車へ乗る人波も延々と続いていたが、JR職員による適切な誘導のおかげでまちんどで販売していたコーヒーかき氷を食べつつのんびり待つ事ができた。しかし仙台駅では夜9時まで新幹線の座席が満席で予約できない状態だったため、自由席があるやまびこに初乗車。うまく席を確保したらホームを歩いている友人に気づいてメッセージを送るも気付かれず、大宮で降りた時にまさか同じ車両に乗っていた事を知った。このように頻繁な出会いが続く関係性を魂が惹かれ合うソウルメイトと呼ぶそうだが、前世や異世界でも同じように飛行機を追いかけていたとしたら、それはそれで面白い繋がりであろう。仙台駅のコンビニで買った駅弁は、レンジで温めてから持って来たため非常に美味かった。乗り鉄に目覚めそうな予感がした、今年の松島遠征であった。