前回の御苗場出展時にも写真集を作りましたが、最初に作った会社がフォトブック製造から撤退したため増刷不可能となり、慌てて再編集を行い、mybookで作り直した経緯があります。加えて2020年末のメインPC故障によるHDDデータ全損で2年分の画像データを消失したことにより、この時作った写真集そのものが再現不可となってしまいました。
個人的に2019-2020シーズンは、フォトコンテストに連続入賞するなど手応えを感じていた時期であり、この期間のデータ消失はまさに青天の霹靂というべき損失に思えましたが、冷静に考えてみると自分のスキルは未だ発展途上であり、日々の撮影でも精度の向上を感じているので、ひょっとしたらもっと先の未来に黄金期が来るかもしれないと開き直りました。加えて、これまた突然訪れた東京赴任は確実に追い風となり、これまでと異なるロケーションで勝負できるように。まさに写真家人生最大のチャンスを迎えたことに気づいたので、再び御苗場に出展することを決意したのであります。
また前回、展示作品や写真集を作っていたおかげで、データは無くなってもプリントが残ったことを認識しました。データのバックアップも重要ですが、写真はやはりプリントの形で残し、沢山の人に見てもらう事が表現であると痛感させられたのです。写真展の出展はかなりの経費が掛かりますが、今回は在廊の旅費負担が無くなっただけでも、大きなアドバンテージと言えましょう。
写真集の作り方ですが、まずは掲載したい写真のサルベージから始まりました。デジタルカメラに移行後10年分ほどの画像データから、自分のスケジューラーやSNSへの投稿記録を元に、ファントムを撮りに行った日のフォルダを片っ端からチェック。頭の中ではピックアップしたい写真をある程度覚えていますが、いつ撮ったかは記録がなく、この作業は大変難儀でした。
次に写真集の仕様を決めますが、前回は販売が目的だったため、お客様が買えそうなギリギリの金額という事で¥5000という売価を先に設定し、ページ数やサイズを制限して製作しましたが、今回はコストを度外視し、一番高価な仕様を選びました。見開きA3サイズを超える、堂々の20ページ!気に入った方は買ってくださるでしょうし、売れたとしても利益は微々たるものなので、私の活動を後世に残すためのモニュメントとして位置付けました。ぜひいろんな方に見ていただいて、感想をお伺いしたいと思います。
最近の写真データは消失したと申し上げましたが、SNSに速報でアップしたデータは、RAWデータをiPhoneに転送しlightroomアプリで現像してから投稿していたため、一押しデータのみスマフォに残っていたのです!天の粋な計らいと言いますか、もはや残らなかったデータは大したものではなかったのかなぁと思えるほど。おかげでラスト・ファントムの特別塗装機もふんだんに掲載する事ができました。ちなみに写真以外の仕事用データはクラウドアプリのDropboxに必要最低限残っていたので、データの分散は本当に大事ですね。
データを集めたら再現像して配置を考えつつ、キャプションやロゴ、イラストなどを作るためAdobe illustratorを触ります。久しぶりにベジェ曲線をいじると楽しくて没頭しちゃいましたが、表紙や部隊マーク、滑走路などをデフォルメして描きました。まだまだ素人臭さが隠せませんが、一応体裁は整ったように思います。それではお待たせしました!写真集の紹介動画を御覧ください。