魅せた!ブルーインパルス

2021年7月23日。東京オリンピックの開会式に先駆けた聖火ランナーの到着に合わせて、航空自衛隊松島基地所属の第4航空団第11飛行隊ブルーインパルスが、都内上空で五輪マークを描く日が訪れました。東京開催が決まった時から、1964年の前回大会のようにカラースモークを曳いて飛ぶのではと憶測が飛び交う中、周りの声に押されるかのように公式が表明し訓練開始。一年の延期を経て万全の準備で臨む形になりましたが、なんとOBメンバーもかき集めた12機ものブルーインパルス仕様T-4が、待機場所の埼玉県航空自衛隊入間基地に集結!成功率を高めるべく最大限のバックアップ体制を敷いた模様です。天皇陛下がご覧になられる可能性も高く、失敗の許されない晴れ舞台に期待が高まります。

 延期決定前の予行や医療関係者への慰労飛行など鹿児島から指をくわえて眺めてましたが、まさか自分が東京に移住して撮影機会を得られることになろうとは夢にも思いませんでした。千載一遇のチャンス、撮影場所については最後まで悩んだのですが、私が取った行動とは以下のようなもの。まず土地勘がないのでネットでの情報収集を始めましたが、仕事で行けなかった21日の予行を踏まえた憶測が飛び交い、予行で得られた素晴らしい撮影結果も、本番で同じように飛ぶのかは誰も知らない。比較的信頼できそうなソースはどこにあるのか考えた挙句、ちょうど銀座で開催されていた写真展「ヒコーキ・ひこうき・飛行機」を取材することにしたのです。

 富士フォトスクエアの決して広くはないスペースは在廊者と来場者で賑わっており、マンツーマンでの雑談がなかなか終わらない。やはり飛行機が好きな人だけが集う場所と見えて、居心地が良いのでしょう。私も話の内容に耳を傾けつつブルーインパルスのネタが出るのを待ちましたが、待つのに耐えかねて、あろう事か自分のファントム写真集を披露して営業を開始したところ責任者に会わせて下さり、有益情報をゲット。こちらの出展者はプロがほとんどで、有名専門誌の連載を持っている方もいらっしゃいましたが、突撃取材のお陰ですごい方々と繋がることができました。私自身は東京や五輪を象徴するシンボルと絡めたいと思っており、東京タワーや東京駅、スカイツリーなど候補に挙げておりましたが、この時知り合った会長が新宿中央公園にお誘い下さったので、乗っかることにしたのです。

 東京に来て何度か撮りに行ったのが、東京都庁。1.3千万都民の生活を預かる大黒柱は東京を代表するシンボルに違いありませんが、事前に公開された飛行経路図によるとこの場所は撮影機会が3回発生し、オリンピックシンボルの五輪マークも撮れる可能性が高い。また予行で良い写真が撮れた渋谷スカイや新宿御苑は早々に入場規制が行われたものの、比較的人が集まらない穴場でした。それでも飛行開始直前の11時ごろには大勢の観客が詰め掛け、青空ながら若干雲が残る上空のステージを見つめます。今回のため無線受信機IC-R6にBluetoothトランスミッターを取り付け、骨伝導ヘッドフォンでチェックしたところ入間基地のtowerも入感し、挙動をリアルタイムで感じながら、予備含めて四つのカメラを構えます。

 実際にはほんの数秒の航過だったため、結局ヘッドバンドに据えたGoProと広角15mmの一眼レフしか稼働できませんでしたが、最初に都庁第一庁舎左手から、次に都庁第二本庁舎の陰から、最後に超巨大な五輪マークを撮影。予行同様低い高度のため2.5個分ほどの輪しか画角に入りませんでしたが、まさに私が立っている場所を軸に描かれる五輪マークには興奮せずにはいられません!五輪が描かれた後は大きな拍手も上がり、五輪競技の前座として位置付けられた写リンピックが終わった余韻に浸りつつ、木陰に退避してデータを携帯に転送し、速報用の画像だけ現像してSNS投稿。お気に入りの日乃屋チキン南蛮カレー¥900を頂き、人気のなくなった新宿御苑を散歩して帰宅しました。ブルーインパルスは明日入間基地から松島基地へ戻るそうなので、お見送りに行きたいと思います。灼熱地獄のお見送り編は、来週のブログで!