Rapid Pacific 2022

ルフトバッフェ、ドイツ空軍がラピッド・パシフィック演習と称し、太平洋の入り口であるシンガポールまで24時間以内に部隊を展開する事を目的に、11回もの空中給油を経て飛んできました。オーストラリアや韓国、そして日本との親善交流も視野に入れて、9月28日にホスト・スコードロンを務めた航空自衛隊第3飛行隊のF-2支援戦闘機が所属する百里基地へシンガポールからフェリー。井筒航空幕僚長はじめ航空マニアの熱烈な歓迎を浴びつつ、ドイツ空軍総監インゴ・ゲルハルツ中将(56)自ら操縦する特別塗装機や空中給油機、輸送機などが編隊を解散して着陸したのです。ラスト・ファントム以来の大混雑でアラートハンガー前の外柵沿いに乱立する脚立や茨城空港周辺に群がる野次馬などセンセーショナルな写真がタイムラインを彩り、コレは只事ではないと社会現象にも発展する事態となりました。

 今回のスケジュールは予め発表されており、日本のどこの基地にやって来るかが焦点でしたが、私は3SQが参加してるのだから百里に決まっておろうと決め打ちし、日本を離れる9/30に夏休み特別休暇で残っていた最後の1日を割り当て、離陸時のナイフエッジまたはハイレート・クライムで背中をバッチリ激写する自分の優勝をイメージ。前日は残業と家事を慌ただしく片付けて、21:30に青梅ICから圏央道へ。02:00にランウェイ21エンド第3北門ポイントへ到着し、ちょうど車一台分空いていた場所に縦列駐車を試みると、愛知からいらっしゃったマニアの方が誘導を引き受けて頂き、まるで予約済みの駐車場にコンシェルジュが出迎えて下さったかのようなスムーズさで、一番の懸念であった駐車ミッションを完遂したのです。

 興奮を鎮めるように真っ暗闇の中ヘッドライトを装着し、脚立の設置状況を確認するなど散歩がてらのロケハン。F-18Cレガシー・ホーネット襲来以来の21エンドでしたが、あの時は強烈な背中ショットを撮影できたのが懐かしい。ほぼ同じ場所で撮ることを決め、仮眠に入ります。夜が明けると車載機の折り畳み自転車をハンガーアウトさせ、セブンイレブンまで買い物に。持参したおはぎと大学芋、カレーパンとフランクフルトで日独親善モーニングを注入し、レシーバーでコントロールをモニター。民航のスカイマークが上がり、快晴の空の下「この脚立ドイツんだ?俺んだ!」ミッションがスタートしました。午前中の離陸を見込んで8時ごろから待機していると、まず輸送機A400Mがこちらのエンドへゴロゴロ転がってくるではないか!まさかランチェン?と焦りまくったが、隣の滑走路へ移動するためのタクシーだったようでホッと胸を撫で下ろす。おかげでブルーインパルスの支援機として松島基地からやってきたC-1との貴重な絡みを撮ることができたのです。競うように松島基地のF-2Bや風神・雷神コンビが上がり、さながら日独合同航空祭の様相を呈して参りました!

 程なくしてA400Mがシンガポールへ向けて離陸し、次にオランダ軍の空中給油機A330MRTTが離陸する模様でしたが、先ほどからユーロファイターのパイロットが高度500フィートで表敬フライバイを要望するも女性管制官がたどたどしい英語で拒否!上官の男性に代わってさらに拒否られたが、最後には管制が折れて実施されることに。空中給油機の離陸後次々に離陸したユーロファイター3機は、わずか300mほどの滑走でF-16ヴァイパーデモチームばりのクイックな右旋回ハイレートクライムをかまし、こちらのエンドでは盛大なため息で温度が急降下!くの字ポイント(基地反対派が立ち退きを拒否する拠点)のギャラリーにアピールするためかと思いましたが、どうやら空中給油ミッションにおいて上空で待つ空中給油機に最短でアプローチするためのコンバットフライトらしい(横田でF-35がやってた)。ローパスからのナイフエッジを夢見ていた21エンド、通称セブン組の面々は私を含めて見事に玉砕したのでありますが、思わず見惚れてしまいそうな美しい編隊飛行を見られたので、ここに居られること自体とても幸せでした。

 夢見心地でおみたまヨーグルトのソフトクリームを食べつつ高速で栃木へ移動し、フォロワーさんと合流してとちぎ国体開会式ブルーインパルスフライバイ予行をカンセキドーム栃木でお迎え。雲ひとつない青空で最高のブルーインパルスを堪能しました。帰りに佐野ICで念願の佐野ラーメンを食べたのも良い思い出。。

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