緊急!練馬駐屯地創設記念行事

陸上自衛隊第一師団創立60周年ならびに練馬駐屯地創設71周年記念行事が、2022年4月11日に練馬駐屯地で開催されました。一般公開はコロナ禍の影響を受けて3年ぶりの開催でしたが、事前の申し込みが必要で入場者数を制限しての開催。ダメ元でネットで申し込んでみたら見事当選したので、朝7時に自宅を出発。練馬駐屯地には朝08:30の到着となりました。

 この時期には珍しい気温の上昇で、湿度は低いものの帽子は必須、ハンディファンがあれば重宝するほどの熱気。東武練馬駅から500mほど離れた会場前には入場を待つ招待者の列が300mほど敷地を取り囲むように連なっていて、せっかく着いたのに正門から壁伝いに再び列の最後尾を目指して歩く羽目に。それでも開門時間を多少繰り上げて頂き、特に待ちくたびれることもなく9時10分に入場することができました。

 入場券当選者は体調管理表を記入して持参する必要があったそうですがメールの内容に気づかず、まずは書類を記入して入場者リストと照合。身分証による本人確認と検温消毒、手荷物検査および金属探知機による検査を経て、ようやく駐屯地に入ることができました。地下鉄サリン事件や熱海の水害など、首都圏の災害に対し最前線で立ち向かう即応部隊だけあって、先日の横田基地よりも厳しいチェックだったように思います。さらに装備車輌の体験乗車券配布の列に100mほど並んでみましたが、これも09:20には配布が終了!LAV(軽装甲機動車)と高機動車は乗車歴があるので、ここは一つ普通科隊員気分を味わうべく3.5tトラックを選択してみました。午後からなので時間に余裕があるか微妙ですが、是非体験乗車してみたいところです。

 さて、会場をさらに進むと装備品展示コーナーが設営されていて、救助用の特殊工具や入浴ユニット、手術室用ユニットなど珍しいものばかり。さすが首都圏の部隊は展示内容も充実しているなと感心したもののあまりギャラリーが集まっておらず、眺めるだけで積極的に説明して貰えました。また並んでいる間に地方協力本部の隊員がアンケートやティッシュを配布し、新入隊員の勧誘に躍起。基地解放イベントはむしろ、新隊員の勧誘が主目的なのでしょうね。若い子たちもまんざらではない様子で、親御さんと一緒に詳しい話を聞くリストに登録されていましたが、頼もしいかぎりです。車両展示は16式機動戦闘車や化学防護車、87式偵察警戒車、81式短距離地対空誘導弾、近SAMなど新旧の装備が一通り。さすがに戦車はお目に書かれませんでしたが、朝霞駐屯地の偵察隊にも七両配備されたらしい16MCVが都市型戦闘の主力たるのは間違いない。まぁ彼らの出番が来るようでは日本壊滅が目前だと思われますが、訓練のみで用途廃止されることを祈ります。

 今日のお目当ては観閲行進でしたが、グラウンドの周囲は既にギャラリーで埋まっていて出遅れ感を認識。それでも入場制限のない首都圏の基地開放イベントは入間基地を筆頭にウン万人集うので、地方イベントしか慣れていない私にとっては遥かに僥倖でした。スタートで度肝を抜かれたのが、第一師団長と副長によるヘリコプターからのラペリング降下!いざ戦場となったら一番槍!を思わせる古典的演出で、まるでゴンドラで登場する新郎新婦をイメージさせますが、この演出を粋と取るかパフォーマンスと取るかは判断が分かれそう。僕は普通に役得でよろしいのではないでしょうかと容認できますが、手筈を整える部下の皆様には同情します。さらに小池百合子東京都知事も登場し、ウクライナ問題を対岸の火事ではないと警告。さすが元防衛大臣の仰ることは違いますね。

 観閲行進が終わってメインイベントの模擬戦へ。都内ど真ん中にも関わらず空砲をバンバン撃ちまくり、富士総合火力演習を思わせる迫真の演習!しかも富士よりよっぽど近くで堪能できたので、存分に撮影できました。偵察から制圧の流れや、負傷者回収、BC(化学・生物)兵器への対応など、高い練度を確認。ラジコンカーの様に激しくスラロームする16式機動戦闘車の空砲はマズルフラッシュ(閃光)を捉えることに失敗しましたが、一発だけのチャンスをものにできた方は素晴らしいですね。午後からトラックに試乗しましたが、ほとんどの客は演習後に帰宅すると見えて並ばずに乗れました。ビニール手袋とヘルメットの下のヘアカバーで感染予防しましたが、予算不足に苦しむ陸自さんにとっては血の滲むような節約があったのでしょう。感謝しかありません。

 最後に厚生棟を見学しましたが、大きなPX(売店)2つにセブンイレブン、食堂も開放されて大賑わい。せっかくなので鶏の西京焼きAランチ¥570を頂きましたが、地味に食べ放題の柴漬けが美味かった!体力勝負の現場だけあって塩分補給の意味もありそうですが、買って帰りたいほど美味しかったです。師団長の挨拶にもありましたが、第一師団は首都の最後の砦。お役目ありがとうございます。