日米フリート・ウィーク2023秋

敬老の日に米海軍原子力空母ロナルド・レーガンの出航予定が発表され、特に用事がなかった私は見送りに横須賀へ車を走らせた。以前塚山公園を訪れた時は安針台駅で降りて登ったらしく、今回逸見に駐車して登ってみたのだが完全に道を間違え、どの道を選んでも狭くて急勾配の階段!こちとらキャリーケースに560mmと三脚まで20kgほど持って来てしまい、引けないので両手で持ち上げ半べそかきながら何とか登ったら、まさかの行き止まり!最終的に崩れかかったお墓に辿り着き、50歳を控えたオッサンにも関わらず、声を上げて泣いたのである。久しぶりに抑制ナシで感情を出した!ここから引き返す体力も無いし、出航にもおそらく間に合わない。これまでの努力が報われず、人生何だったんだろうと絶望に打ちひしがれたその時、ふと右手に、崖をトラバースするような荒れた道が目に止まった。少し下って進んでみると、ヤマカガシの赤ちゃんがニョロニョロと私を導く。明るい光の先は、まさかの塚山公園入り口であった。苦悩の涙は歓喜の嵐に変わる。道が合っていたか間違っていたのかはともかく、こんな具合で最近やたら試練が降りかかる。ただその度に学ぶこと、得ることも多いため、これは一種の修行なのであろう。泣いても転んでも構わないが、すぐ立ち上がれ何度でもと自分を戒めつつ、涙を拭いてスポッターの皆さんと三脚を並べた。

 レーガンのレーダーは回転し、順調に出航準備を整えているように見える。撮影準備しつつタイムラインを眺めていると、まさかの出航中止!?大型船入出港情報からも削除された為、信ぴょう性が高いと判断し、彼岸花だけ撮って塚山公園を降りた。あれだけ苦労してドタキャン、今日の挑戦は一体どのような意味があったのだろうかヴェルニー公園で逡巡すること束の間、代わりにステルスフリゲートのオークランドが入港するかもしれないと言う情報が入った。浦賀や観音崎まで出張るか悩みつつ、Yokosuka軍港めぐりでの迎撃を決断し、メシも食わずに14:00便のチケットを買って13時に並ぶ。マニアの皆さんとMarine trafficアプリでオークランドを追跡し動向を注視。右往左往、緩急自在の進路にヤキモキしつつ14時便出航。期待を裏切られたロナルド・レーガンが見えて来たその時、横須賀港へ入港するオークランドを正面に捉えた。ここでつまり、今日来た意味を理解した。そのまま反航すればなおよかったのだが、進路妨害になる為SF7は珍しく吾妻島の水路で左折し、時計回りでもなく帰り道も吾妻島コース。船長の粋な計らいで接岸中のオークランドに再び接近して頂いたため、オークランド歓迎特別便として記録に残る乗船となったのである。

 朝の絶望から代打逆転満塁ホームランばりの勝利を噛み締めつつ、現像しながらサイゼリヤでお祝いし帰路へ。この日初めて横須賀に寄港したRangerとMarinerという無人制御輸送艦も拝めて貴重な1日となった。翌週は抽選に当たったため再び横須賀入りし新型せ潜水艦SS-513たいげいの甲板見学へ。横須賀総監部の逸見H1岸壁からマイクロバスで送迎という豪華な歓迎ぶりであったが、初めてたいげい型の甲板を歩くことができた。そうりゅう型との違いは艦橋の幅や艦尾の露出部分にあると知っていたが、改めてじっくり観察。潜舵の稼働も見せて頂き、パワフルな潜水艦の息づかいを感じることができた。オマケに改造前最後になるかもしれないDDH-183いずもも見学できることに。いずもは何度も乗船した事があるが、しばらく見られなくなる可能性が高く名残惜しい。ロービジ化された艦番号やF-35B着艦用に改装されたデッキなど30分で慌ただしく見学し、川崎のサイゼリヤで食事後生田配水地へ移動、調布花火大会の撮影でこの日を締めた。

 その後ロナルド・レーガンは7回も出航を取り下げ、あまり期待のできない8回目の出航日が休日だったため、冷やかしがてら安針台公園へ。今日はこれまでと雰囲気が違い、海上保安庁やタグボート、警備艇の動きが慌ただしい。延期の原因は沖に停泊していた作業船や船自体の修理などであったそうだが、ようやく出航して行った。ロナルドレーガンは冬に帰港し、整備して来春に日本を去る予定。貴重な見送りに立ち会えたことも今後の伏線となるのだろうか。その後隣にいたPENTAXユーザーと意気投合し、入港したばかりの南極観測艦しらせを長浦港まで見に行ったのだが、何とその方は4年前、横浜御苗場の展示で知り合った佐賀出身の方で、大学を卒業してこちらに就職し艦にハマったそう。私は何となくそんな気がしつつも人違いだったら恥ずかしいため誘導尋問で思い出したのだが、再会に驚きつつ楽しい時間を過ごさせて頂いた。ご縁ってのは本当に、ヤバい。。