三沢基地航空祭2023

三沢の夜は車の窓を少し開けていたため基本的に涼しかったが、時折猛烈な湿気による蒸し暑さで目が覚め、最後は尿意で覚醒してしまう。予定よりも少し早めに準備して、まずはルート上のコンビニで用を足し、朝4時にファルコンゲートへ到着。既に数百名が150mほどの列を作っていたが、左手の歩道に敷かれた列はすぐに右手へ移動させられ、その後歩道から離れた草地でつづら折りの列を再構築。ロックアイスで冷やしておいたお寿司やナンを食べつつ座って待っていると次第に明るくなり、今日こそ快晴と思いきや急に雨雲が広がって、昨日のようにやや強めの霧雨が降り出したのである。ゲートオープン予定が07:30頃だとすれば車まで雨具を取りに戻るには時間が足りず、潔く諦めて雨に打たれたところ、入門後は晴れ上がってしまった。

 結果的に清めの雨を頂いた事で手荷物検査も簡単にクリア。無人に近いエプロンを昨年同様最奥部まで激走し、お目当てのA-10とF-15Eのパッチを購入。ほとんど人がいないC-2の中を見学しつつランウェイ10エンド最前列をゲットすると、オープニングフライトに向けてF-16CM、F-35A、EA-18Gの順に離陸!これを撮るために荷物サイズ制限を考慮して剥き出しでリュックに入れて持ち込んだ560mmが火を吹き、初っ端から感動的な撮影に成功したのである!オープニングフライトはE-2Dホークアイの特別塗装機が背中を見せ、P-8Aポセイドンがハイスピード・ローパス!2日間仮眠で凌いだ甲斐があった。

 オープニングフライトに続き行われた三沢の主役であるF-35AとF-16CMの機動飛行を撮り終わると、地上展示機を物色しつつ管制塔正面へ移動。昨年はNASAのWB-57という珍しい高高度研究機が目玉だったが、今年はEA-18GスコーピオンズのCAG機や嘉手納から来たF-15Eストライクイーグル、アラスカのF-35Aに在韓米軍A-10Cなどファイター系目白押し。欲を言えば先日飛来したB-1B爆撃機を希望していたが、贅沢を言えばキリがない。ただ年末にストライクイーグルの写真集を計画しているため、接写の機会が得られたのは僥倖であった。たまたま立ち寄った携帯武器展示コーナーではRPG-7という有名なロケットランチャーを持たせて頂き気分はランボー。余韻に浸りつつ持って来た牛めしを食べつつ休憩していると、密かに期待していた北海道エアシステムのATR雪ミク特別塗装機が降りて来た!どうも航空祭に合わせて特別塗装機を寄越してくれるのは暗黙の了解らしい。ありがたく撮影させて頂き、ブルーインパルスのショウセンターへ陣取る。今回はF-16、F-35、F-18が並んだスポットを背景に広角で狙うといい塩梅で捕獲できた。雲が低かったため水平系の珍しい航過飛行が見られたのもありがたい。その後はチヌークの放水デモやF-16とF-35の競演もあり、充実の機動展示が終了した。

 別行動だった友人と車へ戻る時間を16:30と決めていたが、16時には既に到着し、そのままレンタカーを返却。再び荷物だけ預かってもらい、昨日に引き続き温泉で汗を流す。帰投する飛行機のジェットノイズを聞きながら入る露天風呂が最高のエンドロールなのは間違いない。結局食べ物は基地で調達せず昨夜の仕入れで賄えたので、残ったパンを食べつつ身も心もサッパリして夜の飛行機を待ったが、最後に飛行機が遅延するハプニング。終電に間に合うかも賭けであったが、CAやパイロットの皆さんがかなり気合を入れてペースを戻して下さったおかげで、21:30には空港を出る事ができた。振り返ると色々あったが、最高の航空祭だったのは間違いない。