霞ヶ浦駐屯地創立記念行事

陸上自衛隊北宇都宮駐屯地の開設記念行事は50周年記念だったが、宮古島沖のUH-60JAヘリコプター墜落事故を受けて寂しい展示内容と聞いた。最近の基地活は費用対効果を重視して投資に見合った成果を得られるかが参加可否の基準になるのだが、翌週の霞ヶ浦駐屯地創立記念行事に関しては武器学校に近く多種類の装備が拝めるチャンスであり、退役間近のAH-64Dロングボウ・アパッチも展示が決まっていたので強く参加を願っていた。

 ところが迫り来る勢力の非常に強い台風2号の影響で西日本の交通が軒並み麻痺する中、百里や成田とほぼ同じ距離にある場所へ夜中に車を飛ばすのは危険と判断し、最低限の装備で始発で荒川沖駅へ向かう。途中案の定遅延が発生しダイヤが乱れたが、乗り継ぎの電車も遅延するなど奇跡的な接続で8時前に到着。駅から無料シャトルバスが運行するそうだが、基地まで3kmなら歩きでも差し支えない。台風によるスケジュール変更で機材展示は午後からと告知されたが、早く着けばそれなりに魅力がありそうだ。

 雨は降ったり止んだりで時に強くなり、持参した買い物袋が破れて使い物にならなくなるハプニング。仕方ないので袋に入ってたお弁当のカツ丼を食べてシャトルバスを待っていると、朝9時前に空港リムジン仕様の大型バスが到着。10分ほどで基地に着いて、金属探知機による全身チェックと入念な手荷物検査。晴れて入場すると非常に客が少なく、雨が止んだおかげで午後から開放と周知されていた地上展示が始まっており、人気のない状態でじっくり見学。無造作に路肩に展示してあったため距離を確保できず全体を撮影するのは難しかったが、ペトリオットや19式自走榴弾砲など一通り撮影した。音楽隊の演奏は中止となり午前のイベントがなくなったため、とりあえず厚生センターへ入ってみるとトイレが温水洗浄式だったり食堂の一角にラーメン屋があったりと地味に設備が充実。とりあえずローソンで破れた買い物バッグの代わりに陸自迷彩柄の丈夫なバッグを調達し、まだ10時すぎだったが博多ラーメン翔龍へ入ってみた。¥530の豚骨ラーメンを大盛りにして、さらにミニチャーシュー丼を追加したらとんでもないボリュームになってしまったが、味は本格的で懐かしい九州の香りを感じられた。特にチャーシューが絶品である。

 次に厚木基地PXのさんきちさんでOH-1のパッチと耳栓を購入し、正門前のゲートガードを撮影。昨年から見たかった60式自走無反動砲や61式戦車に会えて感無量である。近くの武器学校から運んできた10式戦車と90式戦車のコラボも激アツであった。展示をすっかり満喫して一旦駐屯地をを飛び出し、通りを隔てた航空学校の開門待ちに並ぶ。開門後再び手荷物検査を受けて滑走路横のエプロン地区に到達すると、最新式の国産輸送ヘリコプターUH-2や退役間近のAH-64アパッチロングボウを筆頭に、UH-1J、AH-1コブラ、OH-1が展示。私は抽選に漏れてしまったがCH-47チヌークは飛行展示を見られたので、飛行停止中のUH-60JAを除けば陸上自衛隊の殆どのヘリコプターが一堂に介したのである。これだけ色々な種類が集まる駐屯地開放は非常に稀であり、来た甲斐があったというもの。思う存分撮影に没頭した。

 帰り間際シャトルバスに乗るために再度霞ヶ浦駐屯地に入場し手荷物検査を受けたのだが、ふと気になって門の横の古ぼけた広報館に入ってみると、一階は活動内容の展示で2階は資料室。特に2階の銃器が一堂に介した様子は圧巻で、ガンマニアは大喜びかもしれない。他に昔ドイツの巨大飛行船グラーフツェッペリンが来日した様子や、太平洋戦争中に唯一アメリカ本土の爆撃に成功したパイロットの史料など貴重なものも多く、宝箱のようなレアスポットであった。目玉の90式戦車試乗が無くなったのは残念だったが、今後の企画にも目が離せない。興奮しつつ朝から遅れ気味ですし詰め状態の常磐線に乗り、あろう事か桜木町へ転戦。横浜開港祭の一環としてハンマーヘッドで一般公開された潜水艦とうりゅうと護衛艦あぶくまの夕景と夜景を撮影。こちらも熱中してつい21時を回ってしまったが、帰宅に2時間掛かるため泣く泣く退散。充実の1日であった。