タイムラインを眺めていたら、6月11日の日曜日に静岡県沼津市の沼津海兵訓練場という砂浜で、海上自衛隊輸送艦おおすみ搭載のエアクッション艇LCACによる上陸訓練がある事を知った。LCACは「Landing Craft Air Cushion」の頭文字で、2020年1月11日の桜島総合防災訓練で役場務めの友人に乗船体験を融通して頂いた事があり、海上に限れば乗ったことがある(画像参照)。一応水面から浮いてるので騒音は凄いものの揺れはあまり感じなかった記憶があるが、LCACの醍醐味は海から直接砂浜へ上がることなので、是非砂上の彼女を拝みたいと思っていた。
朝08:00開始だったが天気も悪く、航空祭の開門ダッシュがある訳でもないためのんびり目に準備し、自宅を07:30に出発。八王子から高速道路を使って10:00に現場へ到着した。沖に停泊している輸送艦おおすみ搭載のLCAC2艇が既に砂浜に鎮座しており、上陸と離岸を繰り返す訓練を実施。十数名のギャラリーは決して多いとは言えないが、近所の人かガチのマニアなのだろう。昭和生まれの私はホバークラフトのラジコンで遊んだこともあり、AAV7と同じく水陸両用という響きに異常に弱い。上陸してしぼみ、離岸前に膨らむゴム製スカートの動きも興味深かったが、一旦浮いてしまえばおそらく人の手でも動かす事ができそう。舵の役割でくるくる回るダクトも面白い。
昼前に行政の視察を含めギャラリーが続々と集まり、何事かと思ったら事前に自衛官採用年齢枠内の方とその家族限定で一般公開が計画されていたらしい。12:00になると地本の担当官の先導で50名ほどゾロゾロLCACに搭乗する様子を指を咥えて眺めていたら、「宜しかったらどうぞ!」と残っていたマニア一同も棚ぼた見学会に参加できることに!予想外のサプライズに興奮を隠し切れないまま、3年ぶりのLCACに搭乗した。一見便利そうなホバークラフトは昔観光航路で運行されていたが、維持や騒音などの問題で廃れてしまった。最大で戦車を一台揚陸できるそうなので、橋頭堡を確保する際には重宝されるはず。もちろん桜島での避難訓練では桟橋や港ではなく砂浜から逃げられるという利点も功を奏した。この日新人航海士の検定試験も行われたそうで、女性のパイロットが誕生したかもしれない。先行きは明るそうである。
雨が降ったり止んだりで夜中まで続く訓練を追い続ける訳にもいかず、14:00に撤退。朝イチはLCACのスカートが傷つかないよう砂浜の清掃作業を行なったそうだが、食事は缶飯らしく設備のない場所で丸一日の訓練は大変な作業なのだろう。半日で疲れ切った私は御殿場まで高速を使い、残りは下道で18:00帰宅。何か食べる暇もなかったが、貴重な体験で満足できた。次の日からは平日のみアメリカ海兵隊の訓練が行われ、CH-53EやAH-1Z、UH-1Yなど飛来したらしい。こちらも見たかったものである。